Project/Area Number |
08216209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 哲生 東京工業大学, 原子炉光学研究所, 助手 (20235469)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高速炉 / 炉心崩壊事故 / FCI / システム解析コード / SIMMER-II |
Research Abstract |
本研究では、高速炉の炉心崩壊事故の解析分野でFCIを含む事故時の現象を総合的にシミュレーションしその影響を評価できるシステム解析コードとしてSIMMER-IIを対象とし、溶融燃料と冷却材との熱的相互作用の実験データに基づきFCIをモデル化し、原子炉の苛酷事故におけるFCI評価手法を確立することを目的とする。 本年度は、代表ケースも含めて4ケースの実験データを用いて解析を実施した。溶融物質のインジェクターモデルを改良することにより、計算結果はより実験測定に一致するようになり、SIMMER-IIのFCIモデルが評価できるようになった。4ケースは、アルミナを主に放出したケースおよび鉄を主体に放出したケースを各々2ケースづつ行った。各実験でナトリウム中に噴出した溶融体は約5Kgである。その他、液体ナトリウムの温度および質量が実験により多少異なる。計算の結果、いづれのケースに対しても、ほぼ実験結果を再現することが確認された。計算結果の主な傾向は次の通りである。(1)融体噴出後のナトリウムプール内およびカバーガス部の圧力挙動はよく再現されたが、圧力ピークのタイミングがやや早めに出現する。(2)プール内における2相領域の拡大は実験結果をほぼ再現したが、軸方向に拡大し易い傾向が見られた。(3)熱エネルギーから機械エネルギーへの変換効率は、実験で0.13%〜0.30%であった。計算ではやや低く0.11%〜0.17%であったが、オーダー的には妥当な評価が得られたと判断できる。 本研究により、Cho-Wrightらによって提案された、液滴衝突モデルにもとづいた、パラメトリックなモデルによって、蒸気爆発にいたらないFCIにおける熱エネルギーから機械エネルギーへの変換効率が許容できる差異の範囲で実験結果評価できることがわかった。また、SIMMER-IIのような比較的簡単な二相流動モデル(2流体、液滴分散流)によっても、FCI現象を評価できることを確認した。
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