量子井戸構造を用いた共鳴トンネル論理デバイスの応答速度の研究
Project/Area Number |
08217211
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水谷 孝 名古屋大学, 工学部, 教授 (70273290)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 共鳴トンネル論理デバイス / 単安定-双安定転移 / 変位電流 / 顕微分光 / フォトルミネセンス / 電荷蓄積効果 / 量子閉込めシュタルク効果 / 電子温度 |
Research Abstract |
共鳴トンネル現象のデバイス応用を目指して本年度より本重点領域研究に加わり、以下に示す成果を得た。 1.直列接続した共鳴トンネル素子2個を振動型電源で駆動することにより生じる"単安定-双安定転移"を利用した共鳴トンネル論理デバイスについて、シミュレーションによる解析を行い、動作速度を最大にする最適な振動電圧があること、動作速度は電流-電圧特性の谷電流の形状にはあまり依存しないこと、振動電圧の立ち上がり時間をあまり速くすると誤動作すること、これは容量を流れる変位電流成分のためであることを明らかにした。またこれらの振る舞いは、論理回路のポテンシャルエネルギーを考察することで説明できることを示した。 2.共鳴トンネルトランジステの動作速度に大きな影響を与えるトランジスタ内部のキャリア輸送機構を解明すべく、デバケイス内部からの発光を測定する顕微分光システムを構築し、共鳴トンネル電流に対応したフォトルミネセンス光を観測することができた。発光はコレクタ電圧、ケ-ト電圧で変調できること,発光速度はコレクタ電流のピークで最大になること、電流の発光半値幅は共鳴点で広がり、電荷蓄積の効果を示唆していることがわかった。また発光エネルギーはコレクタ分圧の増大とともに減少すること、これは量子閉じ込めシュタルク効果で説明できることを示した。発光の高エネルギー側の分布から求めた電子温度は格子温度に比べて数十K程度上昇している結果が得られたが、この原因についてさらに検討が必要である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)