π性電子供与体の環境場における光電子移動反応の制御
Project/Area Number |
08218103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
志摩 健介 宮崎大学, 工学部, 教授 (20029862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白上 努 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60235744)
山下 敏明 国立都域工業高等専門学校, 助教授 (80191287)
保田 昌秀 宮崎大学, 地域共同研究センター, 助教授 (00174516)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | π性電子供与体 / 光電子移動反応 / 光アミノ化反応 / 光不斉誘導 / フラビン / ミセル |
Research Abstract |
(1)光不斉アミノ化反応:電子受容体の存在下で芳香族オレフィン類に光照射して発生させたカチオンラジカルにアンモニアやアミンを求核付加させる光アミノ化反応において、ベンゼンなどのπ-ドナーを添加すると反応効率が著しく増大することを見い出している。これはカチオンラジカルがπ-ドナーとπ-錯体を形成するためだと考えられる。そこで、本研究では、キラル置換基を持ったπ-ドナーとして(-)-または(+)ーメンチルアリールメチルエーテル(3)を用いアネトール(1)のアンモニアによる光アミノ化反応を行い、その不斉誘導の可能性を検討した。その結果、アミノ化生成物(2)の旋光度は反応温度によって変化し、温度の逆数と旋光度の値が直線関係にあることが分かった。また、π-ドナーの電子供与性が増加するに従い旋光度の絶対値が大きくなり、HPLCの測定から、最高でおよそ15%のeeであった。また、π-ドナーのキラル部をメントールからカンファーなどに変えて種々の芳香族オレフィン類の不斉アミノ化反応について検討を行った。 (2)疎水的環境場での電子移動反応:DNA光修復酵素(PRE)のモデル化が生体内酸化還元補酵素フラビンを光増感剤に用いて研究されているが、生体系の反応条件に近い中性条件下水溶液中でのモデル化反応には成功していない。本研究では、中性条件下水溶液中で、ピリミジンシクロブタンダイマー(4)のテトラアシルリボフラビン(FL)-光増感単量化反応をドデシル硫酸ナトリウムやヘキサデシル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を臨界ミセル濃度以上添加した条件で行い、単量化反応が効率良く起こることを見出した。この反応はミセル中で4から^3FL^*への電子移動反応によって4のカチオンラジカルが生成することで開裂が起こっていると思われる。単量化の限界量子収率は最大で0.86と求められ、単量化は効率良く起こっていることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)