Project/Area Number |
08218203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 巌 北海道大学, 工学部, 教授 (80002111)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 励起エネルギー移動 / 時間分解蛍光分光 / LB膜 / 光合成反応中心 |
Research Abstract |
本研究は、LB多層膜を用いて機能分子を一定の配向をもって配列させ、均一分散系ではみられない特異的な分子間相互作用およびその結果としての反応現象を実験的に確認し、新しい物理化学の展開を計るとともに、これを新しい型の並列演算分子素子として応用することを目的としている。本年度は、本重点領域研究の最終年度にあたって、平成6〜7年度に行ったLB多層膜の励起移動の実験結果について理論的な検討を行い、分子素子への展開について考察した。 (1)実験結果は、分子配列系の励起移動には速い過程(10〜30ps)および遅い過程(5ns)の2つの経路があり、理論的考察から、この速い過程は、従来調べられてきた均一分散系におけるForster機構(very-weak interaction機構)とは異なって、より強いintermediate interactionによる機構であり、熱的非平衡状態間の励起エネルギー移動であることを明らかにした。(2)このような励起子移動は、植物の光合成光捕集アンテナ色素蛋白におけるエネルギー移動現象についても同様であることを解析した。(3)この励起子移動は、分子配列系がひとつの分子配線をつくっていることを意味し、電子移動との結合により単一量子素子となり得ることを提唱した。 以上の結果をJ.Luminescence, 「化学」(化学同人、京都)および「応用物理」(応用物理学会)に報告した。
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