束縛環境下における光反応スピンダイナミックス;新しい検出法と反応制御法
Project/Area Number |
08218205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村井 久雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50142261)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 電導検出磁気共鳴法 / ラジカルイオン対 / マイクロ波効果 / 交換相互作用 / イオンラジカル / 反応制御 / ESR / TMPD |
Research Abstract |
ラジカル対を経由する反応に関して電子スピン共鳴(ESR)条件下での新しい検出法の開発と、得られた新しい情報を報告する。TMPDは光イオン化の際に、長寿命ラジカルイオン対を経由する。逆電子移動で発光する光をモニターしながらマイクロ波効果を磁場存在下で観測した。溶媒和電子の共鳴点において発光強度の減少と、マイクロ波強度に依存して信号が振動する現象が観測された。これは、ラジカル対の前駆状態が一重項状態で、逆電子移動によりTMPDの励起一重項状態が生じたことを示している。この結果は、スピンの量子力学的モデル計算で説明できた。 同じ系において、イオンラジカルを電気伝導度の変化として測定する試みを行った。この系における外部磁場効果は、磁場存在下において電導度の増加を示した。これはラジカルイオン対が三重項状態から反応していることを示している。マイクロ波をESRの共鳴条件下で照射すると、磁場効果を打ち消し合う方向、すなわち電導度の減少としてラジカルイオン対のスペクトルが観測された。スペクトルは予期したESRのスペクトル幅とは大きく異なり、この広がりは、ラジカルイオン対の交換相互作用の広がりで説明された。このような情報を持ったスペクトルの観測は今まで例をみない。 以上の結果は、共鳴条件でラジカルイオン対のスピン状態がマイクロ波により操作されたことを示している。さらに、この結果は磁場とマイクロ波による操作で光化学反応の積極的な制御が可能であることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)