パルスを含む時間分解ESRによる金属錯体上の光反応解析
Project/Area Number |
08218206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10127152)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 電子スピン分極 / CIDEP / 励起多重項 / 金属ポルフィリン / 励起三重項 / 三重項-二重項対 / 時間分解ESR / パルスESR |
Research Abstract |
金属錯体上の化学反応の典型的な例は軸配位子の脱着反応である。我々は、本重点領域研究の初年度に、けい光の減衰からマグネシウムポルフィリンとピリジン(Py)の励起一重項状態における軸配位子脱着反応を見いだした。本年度はこれを利用して時間分解ESRにより、ポルフィリン励起三重項とPyのラジカル置換体との相互作用について検討した。その結果、固相と溶液相の両相で励起四重項状態の観測に成功した。また、ラジカルの置換位置により三重項とラジカルの交換相互作用パラメータJの符号が異なることを見いだした。それぞれの相の結果から次のことがわかった。 A.固相中 1)ラジカル軸配位子ポルフィリンの時間分解ESRスペクトルは、ピリジン軸配位子のものとは異なり、ゼロ磁場分裂は約1/4、g値は2.004、2.001と求められ、それぞれ励起四重項、励起二重項と同定された。 B.溶液中 2)X-バンドの時間分解ESRでは、シャープな成分とブロードな成分の重なりが観測されたが、W-バンドでは2つが分離され、g値が2.007、2.0045と求められ、それぞれラジカル、励起四重項と同定された。 3)パラ位とメタ位の置換体で逆の極性を持つCIDEP信号が観測され、ラジカル-ハイフン三重項対機構による分極と同定された。これは2つの系でJの符号が異なることを示しており、理論的な考察によりこの結果の妥当性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)