走査トンネル顕微鏡によるTiO_2(110)表面上の光反応微視過程のその場観察
Project/Area Number |
08218214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 岳彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90242099)
大西 洋 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (20213803)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 光励起反応 / 光触媒 / 固体表面 / 金属酸化物 / 酸化チタン / 電子刺激脱離 / 環境場 |
Research Abstract |
固体表面の光化学反応は、基礎的・応用的な観点から今日もっとも注目されている化学現象の一つである。本研究では、走査トンネル顕微鏡で熱反応過程を動的観察するとともに、光反応中の表面をその場観察することによって、これまで間接的にしか得られなかった金属酸化物表面の反応過程を原子レベルでとらえることを目標とした。 まず、ルチル型二酸化チタン(TiO_2)の(110)表面を清浄化し、(1×1)清浄表面の原子像をはじめて観察した。得られた原子像がチタンあるいは酸素いづれに対応するものであるかを、ギ酸イオンの吸着を利用して判別した。次いで、顕微鏡ステージに紫外・可視励起光を入射して光照射下の表面反応をその場観察できる光学系を整備し、われわれは昨年度、顕微鏡ステージに励起光を入射して光照射下の表面反応をその場観察できる光学系を整備した。本年度さらに光照射下の表面温度上昇を抑制するために100Kまで試料を冷却できるよう試料ホルダーを改造して実験をすすめたところ、100W超高圧水銀灯による200時間連続照射によっても、TiO_2(110)表面に吸着したギ酸イオンを反応させることはできなかった。おそらく、光励起によって生成したキャリア(この場合は正孔)が、固体内部のバンド歪曲によってギ酸イオン吸着種へ到達できないのであろう。そこで、10^<-3>Pa程度の酸素、水、水素ガスを顕微鏡チャンバー内に導入して光照射をおこない、ガス雰囲気によって表面ポテンシャルを制御して有効な電荷分離を促進することを現在こころみている。 また、光励起反応と相補的な情報を得るために、電子刺激脱離を利用した反応中間体検出法を開発し、固体表面の環境場が吸着分子の光反応におよぼす影響を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)