D-A系の光誘起電子移動反応における分子環境制御と超交換相互作用の効果
Project/Area Number |
08218248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松尾 拓 九州大学, 工学部, 教授 (30037725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新留 康郎 九州大学, 工学部, 助手 (50264081)
米村 弘明 九州大学, 工学部, 講師 (40220769)
山田 淳 九州大学, 工学部, 教授 (30136551)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 光反応 / ダイナミックス / 分子環境 / 電子移動 / 磁場効果 / 光第二高調波(SHG) / 界面 / 光電流 |
Research Abstract |
(1)D-A対で修飾した電極での光電流発生と外部磁場効果 ポルフィリン亜鉛錯体とビオローゲンの連結系をLB膜として電極に固定し、0.1T以上の磁場を加えると光電流に15%にも達する増分が見られた。さらに、ポルフィリンとビオローゲンを結ぶスペ-サの長さ調節により、磁場効果に顕著な違いが現れた。この結果は、生成したラジカル対の消失速度が外部磁場によって抑制される度合いがスペ-サ長で変化する現象とよく合致し、三重項ラジカルが光電流のスイッチとして機能することが明らかになった。 (2)ビオローゲンによるルテニウム錯体の電子移動消光と疎水環境の効果 ビオローゲンにアルキル基を介してカルバゾールを結合させた連結化合物を電子受容体として、水中でルテニウムトリスビピリジン光励起種の消光を行ったところ、メチルビオローゲンよりはるかに大きな効果を示した。さらに、上記の連結化合物の酸化還元電位はメチルビオローゲンより0.1V正側にあるが、アセトニトリル中では両者が同一になる。よって、カルバゾールの疎水環境がビオローゲンの脱水和を介して、電子移動反応の制御を可能にしていることが実証された。 (3)アルコオキシアゾベンゼンの関与する界面SHG アゾベンゼン骨格を連結した両親媒性ビオローゲンを石英基板に吸着させ、ヘプタン中に浸してYAGレーザーの基本波を照射したところ第二高調波発生(SHG)が明確に認められた。さらに、アゾベンゼン骨格をシス体に光異性化させるにつれて、SHG強度が大きく増大した。ビオローゲン骨格のみを石英基板に吸着させて、種々の4、4'-ジアルコキシアゾベンゼンノヘプタン溶液に浸しても、同様なSHGおよび光異性化の効果が観測される。シス体によるSHGがトランス体の関与する場合よりはるかに強くなるはじめての例である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)