光励起分子のダイナミックス:時間分解振動分光による研究
Project/Area Number |
08218256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 博彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40063622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 仁典 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (00267410)
伊藤 紘一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40008503)
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Project Period (FY) |
1995 – 1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 時間分解ラマン分光 / 時間分解紫外・可視吸収 / 光励起分子ダイナミックス |
Research Abstract |
時間分解ラマン分光、過渡吸収スペクトル、ab initio 分子軌道法を用いて、以下のことを明らかにした。 (1)フラビンの光還元反応の機構:フラビンモノヌクレオチド(FMN)は紫外光照射により最低励起三重項状態(^3FMN^*)を経由して、pH8.3以上ではアニオンラジカル(FMN^<-*>)を、pH<8.3ではセミキノンラジカル(FMNH^*)を生成する。このとき、^3FMN^*は酸性溶液中でもアルカリ性溶液中でも、基質から電子を奪って先ずFMN^<-*>を生成するのであり、水素原子を引き抜いてFMNH^*を生成するのではないことを、時間分解ラマン分光法により明らかにした。なお、酸性溶液中では、生成したFMN^<-*>がH^+と結合してFMNH^*になる。 (2)6-ニトロー1',3',3'-トリメチルスピロ[2H-1-ベンゾピラン-2,2'インドリン]のフォトクロミズム:シクロヘキサン溶液中で紫外光照射により、ナノ秒の時間領域で、3種類の過渡分子種が生成することを時間分解ラマン分光法により明らかにした。最も寿命の短い過渡分子種は最低励起三重項状態であり、二番目の寿命の過渡分子種は、C_<spito>-0結合が切れて生成したフォトメロシアニンである。また、最も寿命の長い過渡分子種はフォトメロシアニンの二量体であることが判った。 (3)クマリンおよびソラーレンの最低励起三重項状態とアニオンラジカルの構造:クマリンおよびソラーレン誘導体は紫外光照射により、3種の過渡分子種を生成する。これらはT_1状態およびT_1経由で生成するアニオンラジカルとカチオンラジカルであることが判った。アニオンラジカルとT_1では、ピロン環の3,4-位のC=C結合の結合次数が大きく低下しており、特にT_1において著しい。ソラーレンのDNAへの光付加反応がT_1状態で、ピロン環3,4-位のC=C結合のところで起こっている可能性が高いことを明らかにした。 (4)フェノチアジン誘導体の光励起分子のダイナミックス:フェノチアジン、クロルフェノチアジン、プロマジン、クロルプロマジンに共通して、カチオンラジカルが二光子イオン化により生成する。クロル誘導体ではカチオンラジカルから560nmに吸収をもつ過渡種Xが、更にXから380nmに吸収を示す過渡種Yが生成することが判った。Xはまた、T_1状態を460nmの光により励起する段階的二光子過程によっても生成する。なお、T_1状態はS原子の非結合軌道からフェニル基に局在した分子軌道への遷移によるn-π^*状態である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)