Project/Area Number |
08219206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 道雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40183652)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | マイトトキシン / ポリエーテル化合物 / ガリグリオシド / 赤血球膜 |
Research Abstract |
従来の天然物の範疇を越えるマイトトキシン、プリムネシン、ゾ-ザンテラトキシンなどの海洋大型分子が最近注目されている。これら大型分子は、非常に強力な生物活性を有しており、その作用機構は薬物等の低分子とは本質的に異なることが予想されるので、これを解明すれば生命科学の研究に新たな視点を加えることができる。しかし、化学的方法による誘導や変換がを行なうにはあまりに分子が複雑すぎることおよび十分量の天然物試料が入手できないこと等の理由により研究は進んでいない。 本研究では、これらの問題点を解決してマイトトキシンなどの大型天然物の作用機構を解明するために、NMRを用いた独自の方法を開発することによって精密な3次元構造を決定し、それに基づく実験方法の開発を行なった。 前年度、本重点領域で取り上げた疎水性部分(C82-C134,R環-F環)についで、今年度は親水性の分子前半部分(C1-C81)について解析を進めた。この部分と類似した構造を有する膜成分としてスフィンゴ糖脂質(ganglioside GM1など)がマイトトキシンの作用を強く阻害することが知られていたので、この作用機構を薬理学的手法によって詳細に検討した。その結果、GM1はマイトトキシンの親水性部分と強く相互作用し細胞膜上に形成されるGM1クラスターにマイトトキシンを取り込むことによって阻害作用が示されていると推定された。さらに、赤血球膜に対するマイトトキシンの作用を蛍光性色素fura-2を用いて解析した結果、マイトトキシンが培養細胞と同様な機構を通じて、イオンの膜透過性を上昇させているとの結論を得た。これによって、マイトトキシンの作用の分子的解析に有用な材料として赤血球膜が用いられることになるだろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)