Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Research Abstract |
本研究では多くのキノコを入手し,その抽出物から様々なバイオアッセイを駆使して生体調節物質の単離を目指し,また,既に精製されているアルツハイマー病の治療への応用が期待される神経成長因子(nerve growth factor ; NGF)合成促進物質の活性発現機構の解明を中心に展開した。NGF合成促進物質としてはヤマブシタケ(Hericium erinaceum)子実体から得られたヘリセノン類と同じキノコの培養菌糸体から得られたエリナシン類を用いた。結果を以下に箇条書きした。 (1)キノコの収集:約150種類以上のキノコを確保した。さらに活性物質精製のために数種のキノコについては大量に入手した。これらのキノコは含水エタノール中で抽出し,その抽出液を酢酸エチル可溶部と水可溶部に分画した。これらの画分について血小板凝集阻害,in vitroにおいてACAT阻害やHMG-CoA還元酵素阻害,ACE阻害,in vivoにおける血中コレステロール低下活性などのアッセイを行った。活性画分についてクロマトグラフィーを駆使して活性物質の単離を試みた。 (2)NGF合成促進物質の活性発現機構:ヘリセノン類とエリナシン類の活性発現機構について検討を行い,ポジティブコントロールであるエピネフリンはアドレナジックレセプターを介して活性を示すのに対し,ヘリセノンとエリナシンはアドレナリンレセプターのアンタゴニストの共存下でも活性を示したことから,違う作用機構をもっていることを証明した。また,エリナシンは未発表のものも含めて10種得られたので,それらの構造活性相関を解析を試み,結果について解析中である。さらに,ヘリセノン類とエリナシンAについては動物レベルの実験が進行中である。
|