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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,天然超分子タンパク質の立体構造をX線結晶構造解析で決定し,超分子形成の必然性,超分子形成の機構などを,決定されたタンパク質の分子構造から理解しようとするものである.本年度は主にタンパク質性抗腫瘍抗生物質C-1027のX線結晶構造解析について研究を進めた.放線菌が産出する抗腫瘍抗生物質C-1027は,分子量約10,000のアポタンパク質とエンジイン型化合物であるクロモフォアからなり,これが属するネオカルチノスタチン族の中でも特に高い抗腫瘍活性を示す。DNA切断活性はクロモフォアにあるが,アポタンパク質はクロモフォアのキャリアとして働き,また,標的細胞の表面タンパク質を認識すると考えられている. 昨年度までに,アポタンパク質の構造解析をほぼ完了し,今年度は主としてアポタンパク質-芳香環化クロモフォア複合体の構造解析を遂行した。2-メチル-2,4-ペンタンジオールを沈澱剤として得られた結晶は斜方晶系で,空間群P212121,格子定数はa=23.2,b=59.4,c=66.2Åである。高エネルギー物理学研究所のシンクロトロン放射光を用いて回折強度測定を行い,1.8Å分解能までのデータを集積した.アポタンパク質の分子構造をモデルとする分子置換法によって構造解析が成功し,芳香環化クロモフォア複合体についても,アポタンパク質のループの部分に明確な電子密度図を確認して,その完全な構造を決定することができた.現在,結晶学的R値も20%以下になっている.クロモフォアは,水素結合と疎水性相互作用によってアポタンパク質部分に結合しており,そのエンジイン骨格が外部からの反応を受けることから防御される構造をとっていることがわかった.また,このクロモフォア結合によるアポタンパク質部分の構造変化は小さいこともわかった.
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