配糖体色素の精密構造認識によるキラル超分子の形成と発色
Project/Area Number |
08219237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
吉田 久美 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (90210690)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | プロトシアニン / コンメリニン / ネモフィリン / シアノサルビアニン / 金属錯体 / 荷電移動吸収帯 / 超分子 / キラル分子会合 |
Research Abstract |
1.超分子錯体色素による青色発現 ヤグルマギク青色花弁色素プロトシアニンを構成成分から再構築し、Fe^<3+>が青色発色に不可欠であることを明らかにした。磁気円二色性、およびMossbauerスペクトル、レーザーラマンスペクトルの測定により、最も波波長側の吸収帯がシアニジン母核からFe^<3+>への荷電移動吸収帯(LMCT)によることを解明した。 金属錯体分子色素による青色花色発現の普遍性を明らかにするため、多数の青色花弁を調査した。青色サルビア(Salvia uliginosa)色素のシアノサルビアニン、およびネモフィラ(Nemophila menziesii)色素のネモフィリンの構成成分を単離構造決定し、それらと金属イオンから花弁と同じ色を示す色素の再構築を行うことにより、いずれも金属錯体超分子色素であることを明らかにした。アントシアニン成分、フラボン成分はツユクサ色素やヤグルマギク色素などとも類似の構造で、シアノサルビアニンはMg^<2+>2原子、ネモフィリンはMg^<2+>2とFe^<3+>が含まれるものと推定できた。 2.超分子色素の会合における糖のコンフォーメーション 超分子錯体色素のキラルな会合は、糖分子が方向性を規定していると推定できた。そこで、コンメリニンのX線結晶構造解析のデータとコンピュータ支援コンフォーメーション解析により解析を試みた。アントシアニン母核3位の糖は母核ベンゼン環に対してφとθがほぼ0°〜10°をとり、さらに、B環との立体障害のため糖のピラノース環の作る平面は、ほぼ母核に対して60°くらいの角度を持つことがわかった。母核部分は発色団同志が交差平行に会合しており、先の3位の糖のコンフォーメーションにより、発色団の双極子モーメントがほぼ-60°〜-70°の左旋的な会合をとることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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