Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
我々は,アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤の合成研究を行なってきており,高血圧において重要な役割を果たすレニンの阻害剤,エイズの原因ウイルスであるHIVプロテアーゼの阻害剤などの合成を行ない,酵素と阻害剤の結合に必要な最小阻害活性部位の探索や高い酵素阻害活性を持つ化合物の合成に成功した.この成功は,酵素反応のメカニズムに着目して,酵素・基質複合体および酵素・阻害剤複合体のコンフォメーションを解析し,酵素分子活性中心の基質遷移状態のコンフォメーションを固定したミミックをデザインするという新しく論理的な方法を用いたことによるところが大きい.この方法をさらに発展させて,基質,阻害剤分子単独のコンフォメーションと,超分子形成時のコンフォメーションとの詳細な比較解析を動的観点で行い,それらの結果をもとに酵素と阻害剤の相互作用に関する分子認識に基づいた阻害剤の構造活性相関研究を行った. 1.HIV-1プロテアーゼおよび誘導体の合成は我々が開発した希釈メタンスルホン酸をα-アミノ保護基切断に使用する固相合成法で,現有のペプチド自動合成機により行なった.また純度の高いプロテアーゼを得るためビオチン誘導体の形で精製した.またシステインをイソステリックなアミノ酸に変換した誘導体を合成した. 2.HIV-1プロテアーゼ活性部位誘導体の合成.基質との相互作用に関与している25位アスパラギン酸をイソステリックなアミノ酸に変換した誘導体を合成した.HIVプロテアーゼは二量体として働くので,もとの酵素とイソステリック誘導体との組み合わせ,イソステリック誘導体のみの組み合わせについても検討した. 4.基質の合成.基質としてp17/p24,p24/p15,p15/PR,PR/p66を合成した. 5.阻害剤の合成.遷移状態誘導体の概念に基づいてレトロウイルスに特徴的な基質の切断部位Phe-ProおよびTyr-Pro(P1-P1')のアミド結合をイソステリックな還元型,ヒドロキシエチレン型,ジヒドロキシエチレン型等に変換し,各基質遷移状態誘導体を合成した. 6.酵素結晶化とX線解析.高活性で安定な酵素蛋白結晶化及びそのX線構造解析を行なった. 7.分子モデリングにより,酵素と基質複合体の構造解析を行なった. 8.超分子形成と解析 X線解析,NMRによりこの酵素蛋白と阻害剤の複合体の構造解析を行なった.
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