ポリピラゾリルボラト基で立体的電子的に規制された希土類錯体反応場の構築と評価
Project/Area Number |
08220104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大西 正義 長崎大学, 工学部, 助教授 (00039695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 克之 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30087514)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ポリピラゾリルボラト / 希土類錯体 / ピラゾール / 単結晶X線構造解析 / NMR |
Research Abstract |
ルテニウム、ロジウム等のd-ブロック元素の多様な遷移金属錯体化学に対し、f-ブロックの希土類錯体化学はかなり立ち遅れていた。シクロペンタジエニル(Cp)錯体およびそのペンタメチル誘導体のCp^+希土類錯体が、Watson,Marksなどにより合成され、エチレン重合などでその高活性な触媒反応性が注目されている。本研究では配位化学的類似性からCp基とよく対比されるポリピラゾリルボラト基(BRpz_3)をとりあげる。これは、ホウ素原子上にI-ピラゾリル基(pz)を導入し、三座配位、6電子供与の負1価のアニオン配位子である。 三塩化サマリウムとピラゾリルボレート塩K[BHpz_3]の反応をTHF中で行った。白色粉末の[SmCl(BHpz_3)_2(Hpz)]が得られた。このX線構造解析を行い、Hpz中性配位子の酸性な水素原子とSm上の塩素原子の間に水素結合の存在を確認した。また類似の反応をN-メチルピラゾール共存のもとで行い、[SmCl(BHpz_3)_2(N-CH_3pz)]を得た。両者の錯体ともBHpz_3配位子はstereochemically non-rigid motionをしめし、すべてのpz基はNMRで等価になった。 錯体[SmCl(HBpz_3)_2(N-CH_3pz)]にK[BH_2pz_2]を加え、THF還流条件で反応を行い、錯体[Sm(BHpz_3)_2(BH_2pz_2)]を得た。[SmCl(BHpz_3)_2(Hpz)]は8配位のsquare-antiprismatic構造であったが、このBH_2pz_2錯体はbicapped trigonal prismatic構造であり、さらにBH_2pz_2部のBH_2プロトンの1個とSmの間でagostic interactionを発見した。またNMRでこのプロトンシグナルが著しく高磁場シフトしていることを確認した。 サマリウム(II)化合物SmI_2をポリピラゾリルボラト塩K[BHpz^+_3](pz^+;pzまたは3,5-Me_2pz)で処理し、ビス(ポリピラゾリルボラト)サマリウム[Sm(BHpz^+_3)_2]を調製し、これとアリルカーボネートなどとの反応を行った。そしてC-0結合開裂による(π-アリル)中間種の発生とその性質について検討した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)