低原子価希土類金属を駆使した生理活性ジテルペン類の全合成
Project/Area Number |
08220202
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 冬彦 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10219446)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | ジテルペン / ビニクロール / 8員環 / 二ヨウ化サマリウム / 希土類金属 |
Research Abstract |
高度に酸素官能基化された多環性ジテルペン類の中には顕著な生理活性を示すものが多数知られている.これらジテルペン類の作用機作の解明は生命科学の上から重要な発見につながると期待されており、効率的な不斉全合成が強く望まれている.報告者は低原子価希土類金属によく還元カップリング反応を用いることで,これらジテルペンの複雑な縮環系が効率よる構築できると考えた.このタイプの環化反応は環化と同時に酸素官能基が導入できる点、近傍の酸素官能基による立体制御の可能性がある点などから、高度に酸素官能基化された多環性骨格の形成には大変都合がよい.報告者は低原子価希土類金属を用いる還元カップリング反応をこれらジテルペンの全合成に適用し,汎用性が高い炭素-炭素結合生成反応を開発することを目的として研究を進めている.報告者はビニグロールの合成研究を行っているが,その過程でヨウ化サマリウムによるバ-ビヤ-型のカップリング反応により炭素の8員環が高収率で環化できる例を見出した.本年度はこの8員環形成反応の一般性について検討を加えた.種々の系で8員環の閉環を試みたところ,コンホメーションをある程度規制した系で8員環が収率よく環化できることが分かった.一般に,炭素8員環の閉環は渡環相互作用などのため大変困難で,ビニグロール,タキソ-ルなどようなジテルペン類の全合成では8員環の構築が重要な問題である.この新しいタイプの8員環閉環反応は様々な生理活性天然有機化合物の全合成に広く使えるものと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)