Project/Area Number |
08220244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70159143)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 希土類 / ランタノイド / 重合 / チオラート / サマリウム / ラクトン / 開環重合 / MMA |
Research Abstract |
今回、われわれは、キレート配位可能なピリジン-2-チオラート(SPyと略す)を配位子として用いると、前述のような中性錯体ではなく、カチオン性の7配位錯体、[Ln(SPy)_2(hmpa)_3]I(1:Ln=Pr;2:Ln=Nd;3:Ln=Sm;4:Ln=Eu;5:Ln=Er;6:Ln=Yb)が得られることを見い出した。さらに、これらの希土類チオラート錯体がMMA(メチルメタクリレート)やラクトン類の重合触媒となることをみいだしたのであわせて報告する。 カチオン性7配位希土類錯体の合成と構造。カチオン性の7配位錯体[Ln(SPy)_2(hmpa)_3]Iは、希土類金属と2当量の2,2′-dipyridyl disulfideおよび3当量のHMPA(hexamethylphosphoric triamide)を、1当量のヨウ素存在下THF中で24時間反応させることによって得られた。この錯体は、これまでに報告された他の希土類のチオラート錯体に比べて、空気中で安定である。これは、ピリジン-2-チオラート配位子が金属にキレート配位していることと、HMPAの酵素原子からの強いπ供与が存在するためであると考えられる。 希土類チオラート錯体を触媒とするMMAの重合。これまでに、われわれは希土類チオラート錯体は、メタクリル酸メチルやアクリロニトリルなどの極性モノマーに対する重合活性を示すことを報告してきた。今回、ランタニドチオラート錯体に、嵩高いフェノキシ基を有する有機アルミニウムmethyl-aluminum bis(2,6-di-tert-butyl-4-methylphenoxide)(7)を添加した系がより穏和な条件でMMAの重合触媒となることを見いだした。ランタニドチオラート錯体のみでは-78℃では重合が進行しないのに対して、7を添加した系では-78℃でも収率よくポリマーが得られた。HMPA(hexamethylphosphoric triamide)配位子を有するベンゼンチオラート錯体からは、分子量分布が狭く高度にsyndiotacticなポリマーが得られ、特に-78℃ではrr=86%となった。また、HMPA-freeの2,4,6-トリイソプロピルベンゼンチオラート錯体を開始剤として用いると、立体規則性は悪いが、わずか15分で分子量(Mn)が約47000のポリマーが収率よく得られた。
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