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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
アキラルな基質の形成する不斉結晶のキラリティーのみを不斉源として利用する反応も絶対不斉反応に属し、近年,分子間,分子内光反応を用いた成功例が報告されている。我々は,含窒素カルボニル化合物であるアミド,イミド,チオアミド,チオイミドが高い確率でキラルな空間群の結晶を与えることも見いだし,その側鎖に官能基を導入することで光反応に活性な分子を構築し,以下のような絶対不斉合成反応を達成した。 (1)N,N-ジアルキル-α,β-不飽和チオアミドの固相光反応 非対称なN-ベンジル-N-イソプロピル-α,β-不飽和チオアミドは光照射により,分子内アルケンの水素引き抜き環化反応によるβ-チオラクタムを与えるが,液相ではベンジル基が,固相ではイソプロピル基が反応部位となり,β-チオラクタムが得られる。相の違いによる生成物の選択性を見いだした。 さらに,N,N-ジベンジルシクロヘキセンカルボチオアミドが不斉結晶(空間群P2_1)を形成することを見い出し,その光照射で光学活性なβ-チオラクタムが収率96%,97%eeで得られた。こ反応はcrystal-to-crystalで進行し,転化率が増加しても高い不斉選択性が保持された。 (2)S-アリール o-ベンゾイル安息香酸チオエステルの固相光反応 種々のs-アリール o-ベンゾイル安息香酸チオエステルについてX線結晶構造解析と光反応を検討した。全て固相光反応により対応するフタリドを高収率で与えた.6種類のチオエステルの中で3つの化合物が不斉結晶を形成した。その固相光反応生成物は光学活性体として得られた。フタリド生成の反応機構としては,原料と生成物について異常分散法を用いて絶対構造を決定したところ,ラジカル対を経由する反応機構ではなく,アリール基の移動を伴って環化し生成することが明らかとなった。
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