分子性結晶の相転移における有機分子の動的挙動の解明
Project/Area Number |
08221207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 桂一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50114426)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | スチルベン / アゾベンゼン / ベンジリデンアニリン / X線結晶解析 / 配座変換 / 構造の乱れ / 固体NMR / 結合長 |
Research Abstract |
申請者は最近,(E)-スチルベン類のエチレン結合は,X線結晶解析によって異常に短く観測されることが多いが,これは結晶格子に対するベンゼン環の向きを変化させずに起こるC-Ph結合のねじれ振動によって引き起こされる外見上の結果であることを明らかにした.同様の現象は,アゾベンゼン類およびベンジリデンアニリン類でも見いだされるが,短縮の程度はスチルベン類にくらべて小さいことが分かった. アゾベンゼン類およびスチルベン類の結晶では,分子の向きが長軸まわりに180°異なるような配向の乱れ(disorder)がしばしば観測される.温度変化X線結晶解析から,これらのdisorderは,N-PhないしC-Ph結合の内部回転によって引き起こされる配座変換に由来することがわかった.この配座変換は,結晶格子に対するベンゼン環の向きの変化を最小限にしながら起こるものである.固体NMRスペクトルの解析から,4,4'-ジメチルアゾベンゼンにおける配座変換の活性化エンタルピーは76KJ mol^<-1>と決定した.スチルベン型化合物のうち結晶構造にdisorderのあるものでは,ねじれ振動の阻害が分子内の立体的要因によって阻害されるようなことがない限り,配座変換がおこっていると推定した.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)