Project/Area Number |
08221211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 克彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60023264)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 層状水酸化マグネシウム / インターカレーション / 光増感2量化 / 交差シクロ付加体 / イオン交換容量 / 励起1重項 / 平行配向 / サイト間距離 |
Research Abstract |
はじめに 層状酸化マグネシウム結晶(LDH)の作る層間は、不飽和オレフィンを取り込み、層間に垂直な交互単分子集合体を形成する。今年度は、この配向分子集合体の光増感2量化と吸着サイト効果を検討した。 実験方法 ベンゾイル安息香酸と桂皮酸あるいはスチルベンカルボン酸を所定のモル比に混合したナトリウム水溶液をLDHの粉末に加え、一晩70-80℃で吸着させた。得られたけん濁液は、アルゴン気流下、パイレックスろ光により光照射した。照射後、反応混合物は塩酸処理したのちメチルエステル化して各種スペクトル分析を行った。吸着量はUVにより測定した。 結果と考察 光増光2量化:ベイゾイル安息香酸による桂皮酸の光増感2量化は、直接光照射と同様に、シン-頭-頭型の2量体を与えた。増感剤の置換基効果などから、増感反応は溶液中の励起3重項経由ではなく、励起1重項からのエキシマーを経る機構であると結論した。また、スチルベンカルボン酸の光増感反応では、シクロ2量化の他に、増感剤との交差シクロ付加体(オキセタン)が生成した。この付加反応は相当する溶液反応では観察されず、層間に配向された系で特有な反応であることが明らかとなった。さらに、その立体化学からはオレフィンとケトンが平行単分子配向を取っていることが示唆された。 吸着サイトの効果:LDHのイオン交換容量は、吸着されたゲスト分子間の距離を決定する。種々の交換容量を持つLDHを水熱合成により合成した。このような種々のLDHを用いて桂皮酸あるいはスチルベンカルボン酸の光2量化を行ったところ、そのシクロ2量体の立体化学に大きな影響が出た。すなわち、交換容量が減少するほど頭-頭型2量体が減少し、ジン体よりもアンチ体が増加した。これは、サイト間距離が広くなることによって、平行配向分子間での光2量化が起こり難くなったこと、ならびに立体規制のゆるい異性体が生成し易くなったことを示唆した結果であった。
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