反応性有機多成分結晶の設計とその固相光反応性の研究
Project/Area Number |
08221213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 義勝 京都大学, 工学研究科, 講師 (20093726)
|
Project Period (FY) |
1996 – 1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 固相光反応 / 二成分結晶 / 複塩結晶 / 超分子結晶 / 結晶光二量化反応 |
Research Abstract |
有機塩型の新しい二成分結晶を創製し、その固相光反応を研究した。トランス-桂皮酸類やアントラセンカルボン酸類の結晶光二量化反応はgauche型1,2-ジアミンとの複塩生成による結晶構造の設計により、強制的にhead-to-head dimer生成の方向へ変えられることを報告した。この方法により通常は生成しない熱的に不安定なdimerでも選択的に得ることが出来るので、合成化学的にも反応機構的にも極めて有用と考えられる。 これらの反応ではジアミンは2分子のカルボン酸を近ずけるための非共有結合性リンカーとして働いており、光二量化反応は複塩結晶の超分子内で起こる傾向のあることが解った。複塩結晶の固相反応性を決定するジアミンの構造的条件(超分子的条件)として、‘n=3ルール'(α,ω-ジアミンのポリメチレン鎖の長さがn=3の時に二量化収率は最大になる)や‘ゴ-シュルール'(1,2-ジアミンがゴ-シュ型立体配座を取ると反応性結晶構造になる)の存在することを見だした。分子間のπ-π相互作用やCl・・・Cl,C-H・・・Cl相互作用によりリンカーのコンホメーションが制御されることも示された。 多くの隣接分子の近接する固相においても以上のような反応制御が可能なことは、ある意味では驚くべきことであると考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)