Project/Area Number |
08221219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 幸男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10029902)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 芳香族ジアセチレン / 固相重合 / 結晶構造 / 放射線 |
Research Abstract |
本研究は、新規な二官能性芳香族ジアセチレン化合物を合成し、結晶構造と固相重合反応性を比較検討するとともに、大きなπ電子共役系を有する機能性高分子化合物を合成する事を目的としている。二官能性芳香族ジアセチレン化合物として1,4-ビス(5-ヒドロキシ-1,3-ブタジイニル)ベンゼン(I)、Iの異性体である1,2-ビス(5-ヒドロキシ-1,3-ブタジイニル)ベンゼン(II)および1-(5-ヒドロキシ-1,3-ブタジイニル)-4-エチニルベンゼン(III)を合成し、X線結晶構造の解析とガンマ線照射による固相重合および熱重合を試みた。Iは再結晶溶媒により結晶構造が異なった。アセトン-ベンゼン混合溶液より得られた結晶はジアセチレン部位が重合に適した配置となり、放射線重合では片方のジアセチレン部位が、また、熱重合では両方のジアセチレン部位が反応する事が明らかになった。結晶構造から熱重合で得られたポリマーはベンゼン核を含む大きなπ電子共役系を有する事が示唆された。一方、純アセトン溶液より得られた結晶は重合可能な構造とならず、放射線照射による重合は認められなかった。また、熱重合における反応性も前述の結晶に比べて低かった。IIからは重合に適した構造の結晶は得られず、結晶状態での放射線照射および加熱による反応は認められなかった。IIIの結晶は、IRスペクトルの放射線照射に伴う変化から、エチニル基とジアセチレン部位の双方で重合が進行する事が明らかになった。結晶構造からは、この二つの重合反応が結晶中の異なる軸方向に進行する事が示唆された。このように、二官能性芳香族ジアセチレン化合物の結晶構造は多様で、固相反応にも特異性が見られる事が明らかになった。
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