Project/Area Number |
08223206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 寿敏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60212304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 友年 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00241563)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | グッツヴィラ-関数 / メタ磁性 / 高温超伝導 / ペアリング対称性 / スピンギャップ / 動的構造因子 / スピンパイエルス転移 |
Research Abstract |
今年度は、次に挙げる研究を行った。(1)グッツヴィラ-型変分関数による、磁場中でのハバ-ドモデルと周期的アンダーソンモデルの研究、(2)射影BCS型変分試行関数による2次元t-Jモデルの基底状態の相図と超伝導秩序パラメーターの対称性の計算、(3)厳密対角化法とリカ-ジョン法を用いた一次元J-J'モデルのスピン動力学と静的性質及びCuGeO3の中性子非弾性散乱スペクトルの研究、(4)RVB型一重項対波動関数による一次元t-J-J'型モデルの研究。以下主要な結果を項目毎に簡潔に述べる。(1)は変分的にメタ磁性の研究をする基礎として不可欠である。この関数を無磁場での形のまま磁場中の周期的アンダーソンモデルに適用すると、自発磁化が起こる。磁場によるパラメーターの拡張が必要である。(2)基底状態の相図は、高温超伝導に対応するパラメーター領域でd波の超伝導状態が広く存在し、Jの大きな領域には相分離、低濃度領域にはs波の領域が存在する。またJが小さい電子密度もそれ程大きくない領域ではほぼ金属的である。超伝導の対称性については、s波とd波の混合(実及び複素)を考慮したが、高電子密度では、常にd波より不安定であった。(3)と(4)励起スペクトルは、ギャップの有無に対する転移点J'/J=0.2411の両側で、ギャップの有無以外の特徴も随分異なる。ギャップレスの領域は基本的にハイゼンベルクモデルと類似して、正弦(或いは二次)曲線の間に主要な連続スペクトルが広がるが、ギャップのある領域では、波数qを固定したときの動的構造因子S (q ,ω)がωの単調減少関数にはならず、またq=π/2近傍で孤立モードが出現する。これらの特徴は無機スピンパイエルス物質であるCuGeO3の中性子非弾性散乱スペクトルと符号し、この物質ではJ'によるフラストレーションがかなり大きなことが解った。
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