重い電子系ウラン化合物の微小磁気モーメントと近藤効果
Project/Area Number |
08223207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 幸弘 東北大学, 工学部, 助手 (70250727)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 強相関電子系 / U_xTh_<1-x>Ru_2Si_2 / 非フェルミ流体 / 数値繰り込み群 / 2チャンネル近藤問題 |
Research Abstract |
ウランを希薄に含むU_xTh_<1-x>Ru_2Si_2等の低温領域において非フェルミ流体(NFL)異常が観測されている。本研究においては正方晶の結晶場中の6重縮退(j=5/2)のj-j結合タイプのアンダーソンモデルを用いた。f^1状態は3つの結晶場2重項に分裂し、f^2以上の結晶場状態はクーロン相互作用と交換相互作用項を採り入れ、j-j結合タイプによって生成する。f^2の非クラマ-ス二重項(Γ_5)が結晶場の基底状態となり、一重項状態(Γ_4)が第一励起状態となるようにf^1エネルギー準位とクーロン相互作用、交換相互作用の値を選ぶ。主な価数揺動がU^<4+>(f^2)-U^<5+>(f^1)間、あるいはU^<4+>(f^2)-U^<3+>(f^3)間の2通りの場合についてそれぞれ混成項の大きさを系統的に変化させた。数値繰り込み群の方法を用いて、1)基底状態にNFL状態が存在するか?2)NFL状態を記述する有効ハミルトニアンはいかなるモデルか?3)このモデルの磁化(帯磁率)の温度変化は実験の低温異常を説明するか?について調べた。 主な価数揺動がどちらの場合でも、混成が弱い場合には系の基底状態は2重項状態となり、低励起エネルギースペクトルはNFLを記述する部分と局所フェルミ流体(LFL)を記述する部分の和となる。この2つの有効モデルは、固定点において互いに独立であり同程度の低エネルギースケールをもつ。NFLを記述する部分は、共形場理論から得られるs=1/2-2チャンネル近藤モデルの固定点と同じ固定点となる。この状態に磁場をかけると、繰り込みのエネルギースケールが磁場程度より高エネルギー領域では磁場のない系と同じエネルギースペクトルの振る舞いであるが、それ以下ではエネルギースペクトルが磁場で分裂し、全系がLFLで記述されるようになる。帯磁率の低温領域でNFLに特徴的な-lnT依存性が現れる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)