Project/Area Number |
08223219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 聡 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10263063)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 近藤格子 / 電子相関 / ボゾン化法 / モット転移 / アンダーソン局在 |
Research Abstract |
(i)乱れた1次元電子系および梯子型電子系におけるアンダーソン局在とモット転移の競合 1次元電子系のモット転移とアンダーソン局在の競合を、ボゾン化法と繰り込み群を用いて議論した。乱雑ポテンシャルによる前方散乱が、電子相関Uの大きさに比べて十分強くなると、モットハバ-ドギャップが消失し、さらに、乱雑ポテンシャルによる後方散乱によって、アンダーソン局在状態に転移する様子が示された。 また、2-legハバ-ド梯子模型におけるスピンギャップを持ったモット絶縁体に対する乱雑ポテンシャルの効果を調べた。不純物ポテンシャルによる前方散乱がある程度強くなると電荷およびスピンギャップが抑制される。あるパラメタ領域では電荷の2つのモードの内、1つだけギャップが壊され、残りの1つの電荷のモードと2つのスピンモードがgapfulになっている状態が実現する。このとき、不純物散乱による後方散乱が十分弱ければ、アンダーソン局在は抑制され、スピンギャップを持った金属状態が実現することが分かった。 (ii)1次元近藤格子モデルのボゾン化法による解析 1次元近藤格子モデルのハーフフィリングにおける電荷およびスピンの励起ギャップ生成をボゾン化法によって調べた。また、このギャップに対する電子間相互作用の効果を調べた。交換相互作用が反強磁性的である場合に実現する近藤絶縁体相の固定点は電子間相互作用が斥力の場合は安定で、ギャップの相互作用に対する依存性が変更を受けるだけであるのに対して、電子間相互作用が引力的である場合には、Lether-Emeryクラスのmassless状態が実現することが示された。 (iii)量子細線のコンダクタンスに対するウムクラップ散乱の効果 1次元電子系のコンダクタンスに対する電子間相互作用のウムクラップ散乱の効果を調べた。外部ポテンシャルの電子間クーロン相互作用による繰り込みの効果を考慮しても、T=0において量子化コンダクタンス2e^2/hに対する補正が生じることが示された。有限温度、および有限系におけるコンダクタンスの温度依存性、およびシステムサイズ依存性の表式が得られた。
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