トラップされた原子の特異な振る舞いの解明(自然発光の制御、ボ-ズ凝縮)
Project/Area Number |
08224204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久我 隆弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60195419)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 中性原子トラップ / ボ-ズ凝縮 / 磁気光学トラップ / 偏光冷却 / ド-ナツビーム |
Research Abstract |
今年は主にボ-ズ凝縮の実現に向けた二種類の実験的研究を行った。一つは1995年にアメリカで実現されたボ-ズ凝縮の追試を行うもの、もう一つはすべて光を用いたトラップによるボ-ズ凝縮の可能性を探るものである。 アメリカの実験の追試は、光によるトラップから磁場だけによるトラップに移行する部分まで成功した。残るのは、磁場トラップ中で蒸発冷却させるステップであり、現在はその実験に必要な装置の到着を待っている状態である。装置が到着すればすぐに追試が終了するはずである。 すべて光によるトラップに関しては、今回我々は画期的な方法を開発することができた。それは、断面がド-ナツ状のレーザー光を用い、中央の光電場の一番小さいところに原子をトラップすることである。この方法は、従来の磁場を用いたトラップに比べ、装置が簡便なこと、トラップされた原子はレーザーを操作することにより自由自在に操れること、外場がゼロのところに原子をため込むことができるため物理の基本原理を検証する実験などに応用できることなど、大きな優れた特徴を持っている。この方法により、現在のところ寿命500msec程度の原子の閉じこめに成功しており、真空度をさらにあげることで分オーダーの閉じこめをめざしている。また、この光トラップと偏光冷却の共存も確認している。これは、ド-ナツを小さくしていくこと(断熱圧縮)で高密度を図るとき、偏光冷却の原子の温度上昇を防ぐことができるということを意味している。すなわち、ボ-ズ凝縮のクライテリオンである温度〜1μK、密度〜10^<15>/cm^3という条件が十分達成可能であるということを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)