原子系と光子の相互作用の機構解明と直接数値シミュレーション法の開発
Project/Area Number |
08224211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮下 精二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10143372)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | サブポアソン光 / ジェンズ・カミング模型 / アンチバンチング / 確率的シュレディンガー方程式 |
Research Abstract |
原子系の離散エネルギー準位とキャビティ内の光子が相互作用する系を、ジェインズ・カミング模型に光子散逸と原子系のパンピング機構を付け加えた模型で表わし、その系を縮約された密度行列の時間発展方程式による直接数値シミュレーションを用いて研究した。特に、キャビティ内の光子数の定常分布と光子緩和の非線形性の関係を詳しく調べ、非線形媒質を用いることで大きくサブポアソン化した分布が得られることを示した。この非線形緩和の機構についても考察した。 さらに、上述の縮約密度行列の運動式における個々の光子の放出をモデル化した確率的シュレディンガー方程式を導入しそれによって格子の放出の時間的分布を調べた。これはこれまでの量子ジャンプ模型の一例であるが、ここでは確率的な環境にある量子系の動的性質に関する具体的模型として導入された。この種の試みはこれまでにないものである。 光子放出時間列においてアンチバンチングが起こる条件としてキャビティのラビ周期によるdead timeの重要性を示した。さらに、アンチバンチングの度合と一定時間内に放出される光子の分布のサブポアソンの度合との関係についても詳しく調べ、一定時間内の放出光子数のサブポアソン性とアンチバンチングは正の相関があることを具体的に示した。それに対し、キャビティ内の光子分布のサブポアソン性は時間軸上のゆらぎのため消されやすいことを見出した。それにかわるものとして光子緩和の非線形性を考慮した実効的なサブポアソン性を提案した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)