複雑液体における異常緩和現象の非線型誘導スペクトロスコピーによる研究
Project/Area Number |
08226220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
折原 宏 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30177307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 真 名古屋大学, 工学部, 助手 (40262886)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 非線型誘電率 / ダイポールグラス / スペクトロスコピー |
Research Abstract |
昨年度は代表的な複雑液体である液晶および過冷却液体の非線型誘電測定をおこない、それらの非線型誘電応答の起源を明らかにした。本年度は、スピングラスと類似の性質を持つと期待されるダイポールグラスの非線型誘電応答を調べた。スピングラスでは線型磁化率がグラス転移点で単にカスプを示すのに対し、3次の非線型磁化率は発散することが知られている。つまり、グラス転移に関係した秩序変数の感受率は3次の非線型磁化率である。本研究では、試料として、代表的なダイポールグラスとして知られているRh_<1-x>(NH_4)_xH_2PO_4(X=0.25,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7)混晶を用い、スピングラスに類似した現象が観測させるかを調べた。 1.3次の非線型誘電率は、ダイポールグラス転移点転移点付近で、明確なピークが見られる。スピングラスとの類推より、このピーク温度がダイポールグラスの相転移温度と考えられ、非線型誘電率を用いれば、線形誘電率に比べてより性格に転移温度を決められることがわかった。 2.従来の研究では、線形誘電率の実部が急激に減少し始める温度を常誘電相からダイポールグラス相への相転移温度と定めていたが、3次の非線型誘電率から決められめる転移点は、従来の方法で決めた転移点より低温側にあることがわかった。 3.3次の非線型誘電率の温度依存と線型誘電率の虚部のそれとを較べると、両者に比例関係があることが実験的に新たに見出された。 次年度は、装置の改良を進め、非線型誘電率の位相測定を可能とし、上述の関係の起源を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)