Project/Area Number |
08227201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市村 晃一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50261277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 悟明 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10222308)
野村 一成 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80128579)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / STM / トンネル分光 / 超伝導ギャップ / 電子対の対称性 |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_8において、低温用走査型トンネル顕微鏡(STM)を用い4.2Kにおいてトンネル分光測定を行った。単結晶側面において測定を行い超伝導ギャップの面内異方性を直接的に調べ、ギャップの対称性を明らかにすることを目的とした。異なる2つの方向からトンネル探針をアプローチし、ノイズの少ないトンネル微分コンダクタンスが得られた。 1.[110]方向(Cu-O-Cu結合方向から45°)でのトンネル ゼロバイアス付近のコンダクタンスは十分に減少し、明確な超伝導ギャップ構造が観測された。そのコンダクタンスカーブは50nm程度の範囲内では場所によらず同一である。コンダクタンスの関数形は以前の測定とほぼ一致する。ギャップの大きさはΔ_<p-p>=21meVと求まり、以前の結果(Δ_<p-p>=25meV)より若干小さいが、これは試料依存性と考えられる。 2.[100]方向(Cu-O-Cu結合方向)でのトンネル [110方向でのトンネルとは対照的に、ゼロバイアス付近のコンダクタンスは十分に減少せず、明確なギャップ構造は観測されなかった。方向によりトンネルスペクトルが変化することは、STM測定においてトンネル遷移確率の波数依存性が強いことと、超伝導ギャップが異方的であることを意味する。また、ゼロバイアス付近でコンダクタンスが増加するスペクトルもしばしば観測された。これはいわゆるzero bias conductance peak (ZBCP)に対応するものと思われる。我々の結果ではZBCPは[100]方向でのみ観測されている。ZBCPの存在はギャップにノードがあることを強く示唆する。超伝導ギャップの対称性は、純粋なd-波、もしくはs-波とd-波の混合の対称性である。後者の場合d-波成分がかなり大きいことが結論される。
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