半充填近傍のスピンギャップと束縛対生成に対するフォノンの効果
Project/Area Number |
08227205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
米満 賢治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60270823)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 1次元電子格子系 / 朝永ラティンジャー液体 / モット絶縁体 / 繰込み群 / 4k_Fフォノン / 電子格子相互作用 / スピンパイエルス状態 / 4k_F電荷密度波 |
Research Abstract |
モット転移つまり電子相関の強い系における金属絶縁体転移としては、銅酸化物を含む反強磁性相関の強い2次元層状ペロブスカイト型化合物やマンガン酸化物を含む二重交換とヤーン・テラー効果で特徴づけられる3次元ペロブスカイト型化合物が脚光を浴びている。本研究ではそれと相補的な1次元の有機無機混成系(πd電子系)における金属絶縁体転移とそれに対する電子帯充填率と格子間隔の整合性、電子格子相互作用、低温での3次元性回復の効果を調べた。1次元電子系はフェルミ液体が不安定で金属状態では朝永ラティンジャー液体になっているので、電子相関が本質的である。また1次元電子系ではスケーリング則が成り立つために、解析的な繰込み群の方法が有効である。ここでは(DCNQI)_2M(M=Ag,Cu)のモット転移近傍の電子相と有限温度でのスケーリングの振る舞いを再現することに成功し、Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>の超伝導が起こる条件に関して考察を行った。前者の物質はM=Agのときには1/4フィリングなのに対し電荷密度波の周期は2であるし、M=Cuのときには1/6フィリングのバンドがあるのに電荷密度波の周期が3であることが確認されている。つまりバンド描像が成り立たない多体電子系でありかつ電子格子相互作用があるために結晶格子は低温で歪んでいる。M=Agのときにラディカルがメチル基であれば1次元性がよく、スピン電荷両者にギャップをもつ広義のスピンパイエルス状態になること、ラディカルがよう素であれば3次元性が無視できず、電荷のみにギャップがあく4k_F電荷密度波になること、そしてそれらの抵抗の温度依存性の定性的振る舞いの違いを、4k_Fフォノンとの結合をいれフォノンを量子的に扱うことで再現した。M=Cuのときは観測されるモット絶縁相を再現するのにやはり4k_Fフォノンとの結合と銅のd軌道の強い相関が必要なことがわかった。後者の物質では粒子粒子チャンネルと粒子正孔チャンネルの対数発散の均衡がとれないと、2鎖梯子系のd波的超伝導が不安定になることを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)