Project/Area Number |
08227210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
常次 宏一 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80197748)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 梯子型反強磁性体 / 超伝導 / モット転移 / 光学伝導度 |
Research Abstract |
梯子型構造を持つ反強磁性体にホールをドープしたときの電荷のダイナミックスを調べるため、有限温度における光学伝導度を数値的に計算した。梯子型構造を持つ反強磁性体Sr_<14-x>Ca_xCu_<24>O_<41>はスピン励起に有限のエネルギーギャップを持ち、Ca濃度が高いときに高圧をかけると低温で超伝導を示す。この物質の光学伝導度は周波数に反比例していて、銅酸化物高温超伝導体と同様のインコヒーレントな電荷ダイナミックスを示している。この系の光学伝導度をt-J模型を用いて数値的対角化によって有限温度で計算した。その結果、実験と一致するインコヒーレントな周波数依存性があることが分かった。さらに温度を下げていくとスピンギャップに対応する温度でクロスオーバーが起こって、光学伝導度に擬ギャップが生じ重みが低周波数にシフトする。擬ギャップ中の低周波数領域のダイナミックスは、スピンの無いボゾンを用いた有効ハミルトニアンで記述される。この有効ハミルトニアンを用いて、さらに低温度・低周波数領域の光学伝導度を詳しく数値的に計算した。その結果、電荷のダイナミックスは低温極限でコヒーレントになり、光学伝導度がドル-デの式で表されるようにクロスオーバーが起こることが分かった。有限サイズスケーリングを用いることによって、このクロスオーバーの起こる温度がホールド-ピングの自乗に比例し、モット転移に対するスケーリング理論の予想と一致することを示した。
|