高温超伝導体及び遷移金属酸化物のラマン散乱と赤外-紫外分光
Project/Area Number |
08227226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水貝 俊治 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50028263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 康司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60283454)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | スピン液体 / スピン梯子 / スピンギャップ / 強相関電子系 / ラマン散乱 / LaCuO_<2.5> / BaCo_<1-X>Ni_XS_2 / La_2NiO_<4+δ> |
Research Abstract |
2本足のS=1/2ハイゼンベルグ反強磁性スピン梯子は量子スピン揺らぎのために指数関数型短距離秩序に留まり、すべての磁気励起に対して有限のギャップをもつ。この様なスピン液体は2次元S=1/2の高温超伝導体でキャリアーをドープしたときの共鳴価電子ボンド状態と同様で、キャリアーをドープしたときに高い超伝導転移温度が期待される。梯子間の相互作用を強くしていくと長距離反強磁性秩序ができスピンギャップも消失すると予測される。LaCuO_<2.5>は梯子間の相互作用が強くそれらの中間にあり、120K以下では長距離秩序、それ以上ではスピン液体になる。このラマン散乱を測定し、2-マグノン散乱からスピン間の交換相互作用を求め、1-マグノン散乱からギャップ構造の温度変化を求めた。低温から温度を上げていくと磁気励起スペクトルの3000cm^<-1>付近が減少し初め、温度の上昇ともに低エネルギー側に減少する領域が広がっていき、120Kでエネルギー0に達する。その後も320cm^<-1>以下では強度の減少続くが、それ以上ではゆっくり上昇していく。この結果は理論的予測とは全く異なり、梯子型スピン液体についての新しい問題を提起している。 また強相関電子系BaCo_<1-X>Ni_XS_2の電子ラマン散乱ではコヒーレント散乱とインコヒーレント散乱を区別しキャリアー濃度の増大と共にコヒーレント散乱が増加することを見つけた。La_2NiO_<4+δ>では赤外、ラマン散乱で観測すると低温で相転移を起こして電子励起にギャップが発生する事を見つけた。これは正孔ポーラロンが一直線に並ぶ電荷-スピン密度の相分離によると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)