金属相酸化バナジウムの磁気秩序とダイナミックス -NMRと中性子散乱-
Project/Area Number |
08227235
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
元屋 清一郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60114683)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 金属-絶縁体転移 / モット転移 / 磁気秩序 / 磁気励起 / NMR / 中性子散乱 / 磁気転移 / 高温超伝導 |
Research Abstract |
金属-絶縁体転移近傍の異常金属相(V_<1-x>Ti_x)_2O_3の電子状態を主として磁気的性質の面から磁化率、核磁気共鳴(NMR)、中性子散乱によって研究した。主な成果は以下の通りである。 1.弱磁場磁化率測定により、x=0.055,x=0.08の組成を持つ試料では従来報告されていた反強磁性転移の他、更に低温側に別の磁気転移を示唆する異常が観測された。 2.NMR測定、磁化率測定の解析により軌道帯磁率、不純物スピン帯磁率を分離し、スピン帯磁率を抽出した。スピン帯磁率はネ-ル温度以上の領域で温度低下に伴い減少し、スピンギャップの存在を示唆している。 3.常磁性相におけるNMRスピン格子緩和時間を測定した。緩和率は弱い遍歴電子反強磁性体においてスピンの揺らぎ理論から計算される温度依存性と一致することがわかった。 4.x=0.05の組成の単結晶試料を用いた中性子弾性散乱実験により磁気構造を決定した。構造はインコメンシュレート反強磁性(SDW)であり、磁気構造を特徴づけるベクトルは酸素過剰系試料において報告されている値に近いことがわかった。1で述べた磁気転移は磁気モーメント方向の回転であることがわかった。 5.x=0.05の試料の中性子弾性散乱実験により磁気励起スペクトルを測定した。磁気秩序状態における励起スペクトルは通常のスピン波励起とは大きく異なり、積分強度も異常に強いことがわかった。今後常磁性相における測定を継続して行なう。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)