リチウム系金属間化合物の欠陥構造とリチウムイオンの動的挙動に関する研究
Project/Area Number |
08229102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
栗山 一男 法政大学, 工学部, 教授 (20125082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢萩 正人 青森大学, 工学部, 助教授 (20244890)
浜中 廣見 法政大学, 工学部, 教授 (10061235)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | リチウムガリウム / イオン伝導体 / 比熱異常 / 伝導度異常 / 格子欠陥 |
Research Abstract |
1.研究目的 本研究は、β-LiGa(NaTl構造:43.5〜54at.%Li)の230K付近で観測された電気抵抗の不連続がLi原子空孔(V_<Li>)の規則-不規則変態に起因することを明らかにするために比熱測定を行う。さらに電気抵抗の温度依存性から、Liイオンの固体内移動を欠陥構造との関連で考察する。 2.方法 粉末試料用の比熱測定装置を自作し比熱測定を行った。電気抵抗はアルゴンガスフロー中でVan der Pauw法を用いて測定した。 3.結果 β-LiGa(43.8at.%Li)の比熱異常が電気抵抗異常とほぼ同じ温度で観測された。これは、低温側では多量に存在するV_<Li>同士の反発相互作用により、エネルギー的に低い規則配置を有していることを示唆している。転移温度における余剰エンタルピーは、72J/moleであり、V_<Li>同士の相互作用の強さを反映している。 V_<Li>のみを多量に含有するLi欠乏β-相境界(43.5at.%Li)では、昇降温過程で抵抗は単調な増減を示し、V_<Li>とLi_<Ga>が共存しているLi過剰の試料では、昇温過程で抵抗が減少する『不可逆的電気抵抗変化』が観測された。これは、価数が-2の場として振る舞う散乱中心であるLi_<Ga>欠陥の消滅に関係している。電気抵抗減少はΔρ∝exp(-E_A/kT)で変化し、活性化エネルギーE_Aは約0.58±0.02eVと算出された。この活性化エネルギーの起源はLi_<Ga>欠陥を含む5個のLi原子から構成されるLiクラスターの崩壊エネルギーと考えられる。Li_<Ga>を含有しているβ-LiGaの『構造不安定性』は、Li_<Ga>存在によりGa副格子のsp^3様混成軌道が局所的に崩壊し、結合力が緩和されることに起因すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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