散漫散乱および低エネルギー励起に関わるイオンの動的挙動
Project/Area Number |
08229204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐久間 隆 茨城大学, 理学部, 教授 (10114018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 東之 茨城大学, 工学部, 助教授 (30202154)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 超イオン導電体 / 散漫散乱 / 低エネルギー励起 / 中性子回析 |
Research Abstract |
1 ローター型強力X線源によるX線散乱実験および原子炉を利用した中性子散乱実験を、超イオン電導体AgBr、CuI、通常のイオン性結晶KBr、NaClなどについて行った。温度依存性を明らかにするため、これらの回析実験の温度領域は、室温から低温(〜10K)までとした。X線散乱実験および中性子散乱実験を行った、AgBr、CuI、KBr、NaClなどすべての物質で、熱振動における原子間の相関の効果に起因する、バックグラウンドに振動的な形状が現れることを確認した。バックグラウンドの振動的な形状は室温で非常に顕著で、温度が下がるとともに減少し、低温(〜10K)では明確ではない。 2 熱振動における原子間の相関の効果を取り入れたバックグラウンド強度の表現式を、超イオン導電体AgBrに適用し、X線散乱強度プロファイルのリ-トベルト法によるフィッティングを試みた。この方法と、従来の多項式によるバックグラウンド強度式をん用いた場合との比較を行った。熱振動の相関を取り入れた場合の方が、多項式を採用するより、バックグラウンドの振動的な形状をより再現でき、リ-トベルト法の精度をあげることが可能となった。 3 アニオン伝導型超イオン導電体での低エネルギー励起の存在、およびその分散を明らかにするため、TOF分光器を用いて、アニオン伝導型超イオン導電体CsPbCl_3の中性子非弾性散乱実験を行った。この結果、測定されたQの全部の領域において、分散のない約1.8meVの低エネルギー励起を観測した。PbCl_6の構造単位が存在し、この構造単位での孤立した振動モードが分散のない励起の原因となっている可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)