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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
高周期14族元素のうちSnおよびPbの元素について,カチオンとハロゲンを系統的に変えてハロ錯体を合成し,それらについてDTA,磁気共鳴(NQR,NMR)法,X線回折法などの物性測定手段を用いて,錯アニオンやカチオンの静的構造と動的構造を明らかにし,イオン伝導機構を調べた。その結果,Sn(II)の塩化物のうち,Cs塩やCH_3NH_3塩では高温で立方晶ペロブスカイト型構造に相転移した。Cs塩は温度上昇すると相転移し,導電率は急激にジャンプし高い値(〜10^<-3>S/cm)を示すが,冷却しても高い導電率を維持し,大きなヒステリシスを伴っている。CH_3NH_3塩では高温で高い導電率(〜10^<-2>S/cm)を示すが,温度変化に急激な変化は見られなかった。いずれも高温で着色し,直流による分極効果が観測できなかったことなどから電子伝導性が導電率を支配していると考えられる。しかし,CH_3NH_3塩のリ-トベルト解析からのフーリエマップと^<119>SnNMR測定の,結果は塩化物イオンの拡散が始まっていることを示した。しかし,^<119>SnNMRの緩和時間の温度依存性より求めた活性化エネルギーは54kJ/molであり,Ge化合物に比べ2倍近い大きな値であった。 一方,CH_3NH_3PbCl_3やCsPbF_3は室温で立方晶ペロブスカイト型構造をとり,後者は前者に比べ2桁高い導電率を示した。後者の^<19>FNMRでは170Kの相転移で既にシャープな成分が現れ,室温ではほぼ先鋭化したスペクトルを示し,フッ化物イオンの拡散が低温から励起されていることが明らかとなった。
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