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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
Bi_2O_3に2〜25mol%Ta_2O_5を添加・焼結した試料の局所に形成される変調構造を室温で観察し,一部の組成ではイオン伝導度を測定して構造との関係を調べた。その結果の概要をTa_2O_5濃度の高い順から以下に述べる。 1.21〜24mol%Ta_2O_5では蛍石型構造の単一相が形成され,既に報告されている結果とほゞ一致する。この領域ではTa_2O_5の濃度と共に急激なイオン伝導度の低下が報告されているが,電顕観察では<111>方向に超格子反射が観察され,O変位型変調構造の存在することが判った。しかも変調の度合いはTa_2O_5の組成と共に高くなり,Oイオン(導電イオン)の<111>方向に沿った静的変位がイオン伝導度の低下を招いていると結論される。 2.7〜21mol%Ta_2O_5では上の蛍石型構造と別の独立した蛍石型構造の共存が観察された。 3.3〜7mol%Ta_2O_5で観察された基本構造は蛍石型構造を正方晶に歪ませたもので,その軸比c/aはTa_2O_5の組成と共に1.05から減少して7mol%Ta_2O_5で1.00になった。超格子反射は【001】および【110】方向に観察され,その強度は7mol%Ta_2O_5のとき,すなわち,c/a=1.00のとき最も弱く,この組成で格子変調の度合いが最低であることが判った。 4.3,7および15mol%Ta_2O_5試料の800℃から500℃へ炉冷した直後,および500℃でアニールした後のイオン伝導度を500℃で測定したところ,いずれの場合も7mol%Ta_2O_5で最も高い値(炉冷で8.25×10^<-22>Ω^<-1>cm^<-1>,アニールで6.34×10^<-4>Ω^<-1>cm^<-1>を示した。この事実と構造の特徴から,炉冷した試料は結晶学的に高温の状態に近いこと,イオン伝導度はO欠陥濃度が高いことに加えて結晶の対称性が高く,格子変調の発達が低いことが比須であることが判った。
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