分子およびクラスターにおける構造転移のメカニズムと非線形力学
Project/Area Number |
08230215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高塚 和夫 名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (70154797)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | クラスター / 多体問題 / 分子内転移 / 融解 |
Research Abstract |
本研究では、保存系としての分子内転移反応やクラスターの構造転移に見られる、非周期的(間欠的)かつ非予測的なダイナミクスの非線形力学的メカニズムとその速度過程を究明した。特に、構造転移ダイナミクスの全時系列の異常性と非エルゴード性、および、その他の統計的性質の解明を行った。高エネルギー領域において、我々が見い出した現象は、「クラスターが一つの構造(ポテンシャルベイスン)を通過して他の構造に転移する際、そこを通過するのに必要な平均時間(平均通過時間=平均寿命)は、どのベイスンから入ってきてどこへ出ていくのかは関係無く、現在通過中の構造とエネルギーだけで決まる。」というものである。核構造の間の遷移状態のエネルギーは高さは、すべて異なっているので、この結果は化学反応論の常識に反する。それ以前に、転移反応において、反応速度とは何かということを突きつけているともいえよう。 我々は、この現象を次のように説明した:このダイナミクスは強いカオス(混合性)のために、一つのベイスンの中で、異なる出口へ到達する(繋がっている)多数の古典軌道が蚕の繭のように絡み合っているであろうと想像される。そこで、一本の古典軌道がポテンシャルベイスンに入ってくると、(統計的な意味で)自分がどこから来て、どこへ出ていこうとしているかという力学決定論的な情報jを速やかに失うであろう。このようにして、軌道は、ベイスンとエネルギーに固有の緩和時間(情報を失う時間)で平均通過時間がきまるであろう。逆に、このモデルを検証することにより、RRKM理論の基礎になっている統計仮説を解析し、多チャンネルRRKM理論への拡張の手がかりを掴んだ。実際、このようにしてモデルを検証した。結局、カオスによる位相空間の微視的な混合構造が、構造転移という分岐現象を通して巨視的に見えているということであり、多体ダイナミクスの新しい側面が観測された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)