Project/Area Number |
08230230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
富永 圭介 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30202203)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 高次非線形分光法 / 振動位相緩和 / 二次元ラマン分光法 / 液体ダイナミクス / 超高速レーザー分光法 |
Research Abstract |
本研究ではフェムト秒レーザーを用いて二つの制御できる光学遅延時間を持った非線形分光法を新たに開発し、液体のダイナミクスについて分子論的なアプローチを試みることを目的としてきた。新しい二次元ラマン分光法として振動の倍音位相緩和に対する実験を提唱し、CDCl_3のCD伸縮振動に対してこの実験を行った。この手法ではv=1とv=2の異なる振動の遷移振動数の揺らぎの時間相関という新しい物理量を調べることができる。これはv=1とv=2のそれぞれの振動位相緩和に及ぼす微視的な摩擦の違いを反映する量であることが特徴的である。上記の振動モードに対する実験結果から、従来v=1の位相緩和に用いられてきた確率論的モデル(stochastic theory)の単純な拡張では実験結果を説明できないことがわかり、異なる振動状態に対する微視的な摩擦の違いを考慮しなければいけないことを明らかにした。現在、非線形分光法の理論家である米国Rochester大学のMukamel教授と協力してこの実験に対する理論的枠組みを構築している。すなわち、Brownian Oscillatorモデルを用いてハミルトニアンを書き下ろすが、その際v=1とv=2の位相緩和が異なる溶媒の摩擦の成分により引き起こされるとした。現在この手法を用いて数値計算を行い、実感結果の解釈を行っている。
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