高分子-単分子膜複合体を用いた分子クラスタの配列制御
Project/Area Number |
08231201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
下村 政嗣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10136525)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 単分子膜 / 水素結合 / 相補的塩基対 / アクリジンオレンジ / インターカレーション / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
単分子膜や二分子膜などの二次元分子集合体は「分子系超構造」をかたち作る「素構造」となる。本研究では、気液界面における分子間相互作用を利用して二次元分子クラスターの形成とサイズならびにサイズ分布を制御し、「素構造」の分子設計を行おうとするものである。すでに、1-Octa-decylcytosine (C18-Cyt)が気液界面において水相に溶存するグアノシンやデオキシグアノシンなどと特異的に塩基対を形成することで安定な単分子膜となり、さらに、ヌクレオシドの不斉性を反映したスパイラル状の二次元結晶を形成することを見いだした。これは、界面における選択的な水素結合の形成によって「素構造」がかたち作られることを実験的に示すことを意味している。そこで、気液界面におけるWatoson-Crick型塩基対形成とそれに基づく分子組織化を一般化するために、9-Octadecyladenine (C18-Ade)と1-Octadecylthymine (C18-Thy)を新たに合成し、気液界面における表面圧-面積曲線の測定ならびに蛍光顕微鏡を用いた形態観察と分光測定を行った。混合組成と面積の相図を作成すると、等モル混合膜の場合に分子占有面積が最も小さくなった。このような相図はWatoson-Crick対ではない二成分混合膜(C18-CytとC18-Ade、C18-ThyとC18-Cyt)では得られないことから、C18-AdeとC18-Thyのみが気液界面で特異的な相互作用をしていることが示唆される。1対1の混合単分子膜を金基板状に移し取りRAS法によってFT-IRスペクトルを測定したところ、C18-ThyのC=O伸縮振動のシフトとNHの分裂が観測された。混合単分子膜をoctadesylrhodamine B (C18-RB)で蛍光染色し水面上において蛍光像を観察すると、C18-RBの発光で赤く輝いた視野の中に黒い針状の二次元結晶が観察された。一方、9-Octadecylacridine orange (C18-AO)を蛍光プローブにした場合には、針状の結晶からはC18-AOのモノマー発光によるものと考えられる緑色(発光極大波長530nm)の蛍光が観察された。これは、あたかもDNA中にスタックした塩基対間にアクリジン環がインターカレートするように、C18-AO分子がインターカレートするためと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)