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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究では,走査型電気化学顕微鏡(SECM)とエンザイムイムノアッセイ(ELISA)を組み合わせた新しい極微量・多項目計測法(SECM-ELISA)の開発,およびこのシステムをガンや妊娠の際に血液に放出されるタンパク質(抗原)であるhPL, hCGの極微量・局所検出に用いた. 計測用基板として,微細加工方により2つの凸部(50μmx50μm)を作製したガラス基板を用いた.この基板の2つの凸部分に,2種の異なる抗体(抗HPLおよび抗HCG)を固定した後,測定対象物である抗原タンパク質を含む試料溶液1滴(0.01ml)を滴下した.次いで酵素(HRP)を標識固定した抗体の混合溶液に浸漬,洗浄後SECM測定を行い,局所タンパク質の2次元画像化を行った. 計測用基板を,1.0mMフェロセニルメタノール(FMA)溶液中に浸漬し,探針電位を400mV vs Ag/AgClに設定しSECM観測を行うと,基板表面の凹凸に起因するFMAの酸化電流の二次元プロファイルが得られた.その後測定溶液に0.5mM H_2O_2を添加し,電位は50mV vsAg/AgClに保持し,SECM測定を行ったところ,それぞれ,対応する抗体が固定化された凸部のみで顕著な還元電流の増加が観察された.これは,この領域で抗原-HRP標識抗体複合体が生成し,HRPがH_2O_2によるFMAの酸化を触媒することによりFMA^+が生成したことを示している.従って,FMA^+の還元電流を画像化することにより,抗原の所在を特定し,さらに定量することができることが明らかとなった. このシステムを利用することにより,1滴の血液で100種以上の抗原の検出が可能であり,特に,乳幼児や老人など多量の採血が困難であり,反復計測が必要な場合の診断に有効な計測法であることが示された.
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