Project/Area Number |
08231224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗片 比呂夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60270922)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 分子線エピタキシ- / 機能性高分子 / 光誘起相変化 / 分子性結晶 / 配向性 |
Research Abstract |
1.ポリジアセチレンの分子線エピタキシ-。原料のPoly-4Unモノマーを加熱・昇華させて基板に供給し、基板温度T_s=30-120℃、紫外線(365nm)照射下での光重合によりポリジアセチレン薄膜の形成を行った。X線回折により試料を調べた結果、膜は高い結晶性を有し、PDA単斜晶の長軸方向が基板の法線方向と平行であることが明らかとなった。また、原子間力顕微鏡観察より、膜がおよそ10μm四方程度の大きさの多数のドメインより構成されており、ドメイン内では細い筋状の構造体が一定方向に配向していることがわかった。ドメインの方向を揃えることを意図して、表面に0.6-2μmピッチの回折格子構造を施したGaAs(100)基板上に、PDA膜の形成をおこなった。しかしながら、得られた実験結果は表面を加工していない場合の結果とあまり大きな違いが認められなかった。 膜形成初期過程の研究。配向性制御の糸口をつかむべく、Si(100)基板上にPDAを堆積させて得られる試料表面をAFM像により調べた結果、分子層厚が一分子層あるいはそれ以下の場合、一定の曲率を持って40-60nmの準周期で配向した筋状構造の集合体により膜が形成されており、また、一つの集合体の大きさは基板温度に依存して変化することを見出した。一層目では、ドメイン核の形成とその発達が主たる膜形成過程であったのと対照的に、二層目ではPDA核がいたるところで発生してそれが一層目の配向に沿って発達していくようである。したがって、分子性結晶薄膜を得るためには一層目のドメイン形成時の配向性を制御することが最も重要な点であると推測している。例えば、50nm程度の微細構造が基板表面に形成できれば配向性制御が可能になるかもしれないと考えている。 3.まとめ。本年度の研究により、i)サブミクロンの微細構造程度の寸法では線型高分子の配向性制御は難しいこと、およびii)分子性結晶薄膜を得るためには一層目のドメイン形成時の配向性を制御することが最も重要であることなどが明らかとなった。
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