ポリペプチド高次構造の人工組織化による機能性原子団-ペプチド系超構造の構築
Project/Area Number |
08231229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三原 久和 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (30183966)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ペプチド / α-ヘリックス / β-構造 / ポルフィリン / 超構造 / 立体構造 / 超分子 / 人工ヘムタンパク質 |
Research Abstract |
タンパク質の高度な諸機能は、ポリペプチド2次素構造のアセンブリにより構築された3次元超構造に起因される。また、天然タンパク質は、ポリペプチド鎖のみならずヘム等の補欠因子との超分子形成により、機能体として成熟する。人工的超構造構築のためには、さらなる高レベルでのペプチド系立体構造の制御を達成する必要がある。本研究ではタンパク質2次構造であるα-ヘリックスやβ-ストランド構造をとるようにペプチドを設計・合成し、ヘムやフラビン分子等機能性団を複合化したペプチド系超構造の構築を試みている。本年度は、機能性原子団として、金属ポルフィリンをα-ヘリックス構造と複合化したポリペプチド超構造の構築や非天然分子とペプチドを複合化したβ-シート超構造の構築において成果を挙げた。 (1)ポルフィリン(ヘム)-α-ヘリックスペプチド複合体の超構造形成 ヘムタンパク質のミニマリスト(最小化)アプローチの構築を目的として、2本の両親媒性α-ヘリックスペプチド中に鉄-メゾポルフィリン(ヘム)を配位結合により複合化したミニ人工ヘムタンパク質の構築に成功した。Hisを有する2α-ヘリックス構造を構築した。本ミニ人工ヘムタンパク質は、10-20%のトリフルオロエタノール中で効率的にヘムを結合した。ヘム結合人工タンパク質の構築のためには、α-ヘリックス構造が必要であり、逆にα-ヘリックス構造の調整によりヘム複合化を制御できることが分かった。さらに、本ミニ人工ヘムタンパク質は、H2O2を酸化剤とした高効率のジメチルアニリンの脱メチル化反応(ペルオキシダーゼ様触媒活性)を発現した。 (2)α→β超2次構造転移ペプチドの設計合成とβ-シートペプチド超構造の構築 プリオン病等で注目を集めているタンパク質のミスフォールディング機構をモデル化・制御した人工ペプチド系を設計し、β-シート構造を制御したペプチド系超構造の構築に成功した。疎水性欠陥部位としてアダマンタン基を導入した両親媒性ポリペプチド二量体を設計・合成した。N末端疎水性基がα→β構造転移と高次会合体形成を伴うミスフォールディングを誘導する。環状オリゴ糖であるβ-シクロデキストリン(CD)は超分子形成によりミスフォールディングを阻害し、ミニ分子シャペロン様に機能することを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)