Project/Area Number |
08231266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (90198309)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ポリサイラミン / ポリマーブラシ / 刺激応答ポリマー / ゴム弾性転移 / 電子線レジスト / ヘテロテレケリックポリマー / ゼータ電位 / XPS |
Research Abstract |
近年、温度、電場、イオン種、溶媒組成、pHなど種々の信号に対して非線形的な相転移を引き起こす様な高分子が注目され、新しいインテリジェント材料へ向けて様々なアプローチが展開されている。筆者らは新規合成反応を追求している過程において有機ケイ素と窒素が含む新しいイオン応答性材料、ポリサイラミンを創出してきた。このポリサイラミンはpHのみならず、周りの温度に対しても相転移するマルチ応答型材料である。さらにポリサイラミンは、そのプロトン化/脱プロトン化に伴い、フレキシブルなコイル状態から広がった状態をとるとともに、そのゴム弾性が著しく変化するゴム弾性転移を示すユニークな材料であることがわかってきた。また、ポリサイラミンの合成的特徴から上に示すように、片末端にビニル基、他末端に2級アミノ基を有するヘテロテレケリックオリゴマーとなるため、この異なる官能基を利用して、片末端を基盤表面に固定させたポリマーブラシの構築を行ってきた。 昨年度までに、このポリサイラミンの合成、イオン応答特性さらには基盤表面へのブラシ構築等を達成してきた。実際、ポリサイラミンのガラス転移点が非プロトン化状態で摂氏-90度であるのに対し、プロトン化状態、特に硫酸でプロトン化したとき、+80度にも達し、実に170度にも及ぶガラス転移点の変化を観測した。このようにゴム弾性が転移するポリサイラミンをガラス基盤上に担持させ、その環境変化に対するゼータ電位の変化を測定し、ブラシ自身がプロトン化し、可逆的にゼータ電位が変化することを確認した。本年度はさらに、ガラス基盤上に担持したポリサイラミンブラシの環境応答能をXPS、ゼータ電位、ぬれ等を用いてさらに追求するとともに、新たに金上へのブラシの構築、ブラシ自由末端の反応性および電子線に対するパターンニングを行い、環境に応答したパターン化ポリサイラミンブラシの構築に成功した。
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