キノン系化合物による有機イオウ化合物の触媒酸化還元
Project/Area Number |
08232227
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小山 昇 東京農工大学, 工学部, 教授 (40134845)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | キノン系触媒 / 導電性高分子 / 有機イオウ化合物 / 二次電池 |
Research Abstract |
二次電池の高エネルギー密度化に対する期待が高まっているが、従来から用いられてきた無機系電極材料のエネルギー密度は限界に達しつつあり、新しい電極材料の開発が求められている。本研究では、理論エネルギー密度の高い有機イオウ化合物に注目し、迅速に酸化還元反応を行わせる触媒系を確立した上で、エネルギーの密度が高く、なおかつ充電速度、放電電流等に優れた電極材料を開発することを目的した。有機イオウ化合物に対する触媒系を設計するにあたって、同化合物の電気化学的特性を調べた。有機イオウ化合物としては主に2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール(DMcT)を用いた。その結果、DMcTの二つのSH基のうち一つが脱プロトン化することにより、酸化還元電位は負側にシフトすることなどがわかった。しかし、金・カーボンなどの通常の電極材料を用いた場合には、室温では十分速い電子移動反応は観測できなかった。これらの結果を踏まえ、DMcTおよびその二量体と導電性高分子ポリアニリン(その酸化体はキノンジイミン構造をとる)との電子移動反応について分光学的に調べた。その結果、活性なポリアニリンとDMcTとの間において可逆な電子移動反応が進行しうることが確かめられた。特にDMcTからポリアニリン酸化体への電子移動は速いが、DMcT二量体からポリアニリン還元体への電子移動は比較的遅く、プロトン存在下でのみ進行した。DMcTとポリアニリンとの複合系はすでに高エネルギー密度二次電池用正極として応用可能であることが示されているが、ここでは銅集電体を用いて充放電特性の向上を試みた。その結果、充放電時の電流を高めることができ、1時間余りで充電、放電が可能であることがわかった。これは集電体から電解溶出した銅がDMcTと錯体を形成し、結果として電子移動反応が促進されたためと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)