Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Research Abstract |
自動車排ガス触媒の基礎研究は時間によって条件が変化しない定常条件下で行われることが多い.しかし,実際の自動車触媒の条件は走行条件によって大きく変化する.また,排ガス浄化反応の単位反応であるNO-CO反応やCO-O_2反応は周期的濃度変動条件下で定常条件下よりも高い転化率を示すことがあり,変動操作効果と呼ばれている.本研究では,昨年度報告した担持白金触媒上でのNO-CO反応の変動操作実験およびシミュレーションを発展させ,触媒粒子内の拡散の効果について調べた. 触媒は粉末触媒,Egg-shell触媒(外層担持型),Egg-white触媒(内層担持型)の3種を用いた.実験は固定床流通型反応装置を用い,時間平均のNO転化率をNOxメーターを用いて測定した. 結果として,変動周期に対する活性の極大の位置がEgg-shellでは変動周期の短いところで見られ,Egg-whiteでは変動周期の長い方にシフトした.このことは,含浸深さが浅いにも関わらず拡散の影響が拡散の時定数からの予測よりもかなり大きいということを意味している.実際に吸着,反応が起こった場合のシミュレーションを簡略化されたモデルを用いて行ったところ,実験と同様の結果が得られた.定常条件下では拡散・反応・吸着・脱離の全ての現象を線形的に表すことができ,拡散の影響を拡散の時定数から説明することが可能であるが,変動条件下では粒子内拡散の影響が単に拡散の影響だけとしてではなく,吸着・脱離や反応と非線形的に結合されて現れるために,単純な予測が不可能である.そこで変動操作シュミレーション時における触媒表面吸着種の時間変化を観察したところ,自己被毒的吸着種(この場合はCO)がある程度脱離して,空きサイトを生じるのに必要な時間と極大値を示す周期とに相関があること,またこの脱離の緩和時間はわずかな拡散の変化によって大きく影響されることがわかった.
|