Project/Area Number |
08232238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016133)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 弾性表面波 / 触媒 / CO吸着 / 反射赤外スペクトル / エタノール酸化反応 / Pd / Ni |
Research Abstract |
極限的反応条件で有効に作用する次世代型固形触媒を開発することを目的とし、強誘電体結晶に発生できる弾性表面波の効果を応用し、触媒活性のコントロールを可能とする特殊な反応場(活性点)を形成させることを行った。RayleighおよびShear-horizontal leaky(SH-L)弾性表面波を用い、伝搬中の格子変位量、触媒の活性化の効率および触媒の表面状態の影響を検討し、さらに、吸着種の状態に及ぼす弾性表面波の効果を高感度反射赤外スペクトル法により調べた。Pdを膜厚50nmで接合した場合に弾性表面波の伝搬格子変位量は増加し、1WではPd膜が無い場合に比べ約40%大きい値となった。Pd触媒上のエタノール酸化反応において、格子変位の増大と触媒の活性増加の効率が対応しており、格子変位がある閾値を越えると触媒活性化が著しく大きくなることが明らかとなった。また、金属表面よりも酸化物表面に対し高い弾性表面波効果を持つことが示された。CO気体存在下でSH-L弾性表面波を印加した場合に、on-top型のCO吸着種のピーク強度はほとんど変化しないのに対し、bridge型CO吸着種のピークは52%も減少し、弾性表面波はbridge型CO吸着種に選択的に影響を与えた。弾性表面波によりbridge型CO吸着種間で不均化反応が誘起されること、および弾性表面波によって生じる格子変位が、吸着種の状態に影響する程度に隣接するNi表面原子の配列構造を変えることが示された。触媒酸化表面では、この配列構造効果に加え弾性表面波による局所電場および音波-電子相互作用もさらに重畳されて、金属表面に比べ高い弾性表面波効果が発現する機構が示された。本研究の結果から、弾性表面波の効果によって、表面の原子配列および電子状態を変えることが可能であり、触媒反応中においても触媒の作用を人為的にコントロールできる機能を持つ触媒が得られたことを結論した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)