金属蛋白質中に含まれる遷移金属クラスターの生体特殊反応場による機能制御
Project/Area Number |
08232240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
青野 重利 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (60183729)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | フェレドキシン / 鉄-硫黄クラスター / 鉄-硫黄タンパク質 |
Research Abstract |
本研究では、B.schlegelii由来のフェレドキシン(Bs.Fd)を対象として研究を行った。Bs.Fd中のHis^<26>、Asp^<35>、Val^<38>、Ala^<47>を、それぞれTyr^<26>、His^<35>、Glu^<38>、Pro^<47>に置換した変異型フェレドキシンの遺伝子を調製した。この変異型遺伝子を大腸菌に導入することにより、変異型フェレドキシンを、大腸菌内で発現させた後、カラムクロマトグラフィーによりそれぞれの変異型フェレドキシンの精製を行った。精製した変異型フェレドキシンの電子吸収スペクトルを測定したところ、酸化型においては、すべての変異型フェレドキシンが同一の電子吸収スペクトルを示した。また、これらのスペクトルは野生型フェレドキシンとも同一であった。このことから、いずれの変異型フェレドキシンにおいても、鉄硫黄クラスターは、野生型フェレドキシンの場合と同様な構造を有していると考えられる。 次に、精製した変異型フェレドキシンと還元剤であるジチオナイト(Na_2S_2O_4)との反応を行った。その結果、26、35、38番目のアミノ酸に変異を導入したものは、野性型と同様な反応が進行した。これに対し、47番目に変異を導入したもの(H47P Fd)は、ジチオナイトにより還元される鉄硫黄クラスターの割合が低下することが分かった。これは、変異導入により、[4Fe-4S]クラスターの酸化還元電位が低下し、ジチオナイトにより還元されなくなったためであると考えられる。H47PFdのCDスペクトルを測定したところ、野性型および他の変異型フェレドキシンのCDスペクトルとは異なるスペクトルを示した。このことから、H47PFdでは、変異導入により鉄硫黄クラスターの近傍のコンフォメーションが変化し、そのため酸化還元電位が低下したものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)