触媒機能界面を用いた生体分子の電子移動制御と生物電気化学触媒反応への応用
Project/Area Number |
08232266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 教授 (90112391)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 機能修飾電極 / 酸化インジュウム電極 / 再構成金属タンパク質 / アミノ酸変異分子 / NADH / 電子移動媒体 / アミノ酸合成 / 酵素触媒電極反応 |
Research Abstract |
本年度は,金属タンパク質の電子移動に有効な生体分子触媒機能修飾電極を駆使して、金属タンパク質の機能改変とその電気化学解析および新しい生物触媒電気化学反応系の展開を進め、以下の研究成果を得た。 1.金属タンパク質の機能改変と電気化学的評価 (1)フェレドキシンのアミノ酸残基の機能解析:鉄-イオウクラスター周辺の46番目のセリンをグリシンに改変した(S46G)フェレドキシンは、クラスターまわりの構造に歪みを誘導して、その酸化還元電位はWild Typeに比べ約175mVも貴側にシフトした。また、66番目や67番目のアスパラギン酸の負電荷はFNRとの結合部位として重要であることが明らかになった。これらの結果は新規の人工機能タンパク質の合成の指針となる。 (2)半人工再構成ミオグロビンの電気化学挙動:ミオグロビンはその分子環境を利用した触媒反応の構築が可能であることを実証した。すなわち、ヘム鉄部位を人工分子で改変した半人工再構成ミオグロビンの電気化学挙動から、ミオグロビン分子内の環境によって酸化還元電位が制御できることや、ヘム鉄周辺部位の構造変化によってミオグロビン本来の機能とは異なった、例えば、カタラーゼ類似の新しい触媒機能から明らかになった。 2.金属タンパク質を用いた触媒反応系の構築を目的とし、フェレドキシン-NADP^+還元酵素を用いてフェレドキシンを電子伝達媒体としたNADP^+からNADPHへの変換が制御できることから、NADPHを補酵素とするアミノ酸脱水素酵素を用いた酵素反応系を駆動させてオキソグルタル酸からL-グルタミン酸が合成できることを実証した. NADHやNADPHのための新しい機能触媒電極を作製した。すなわち、1,9ジメチルメチレンブルーを電極表面に吸着固定化して得た触媒修飾電極は未修飾電極に比べて0.9Vも陰電位側でNADHやNADPHを触媒酸化でき、フローシステムと組み合わせて安定に動作する電気化学センサとして機能した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)