Project/Area Number |
08234201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (70241578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 由樹 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50240809)
吉澤 誠 東北大学, 工学部, 助教授 (60166931)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | バーチャルリアリティ、 / ヘッドマウンテッドディスプレイ / 筋交感神経、 / ニューログラム、 / ダングステン微小電極 / カオス / フラクタル / ゆらぎ |
Research Abstract |
新しいテクノロジーとして近年とみに注目を集めつつある人工現実感の技術は、特にアミューズメント関係の分野などにおいて脚光を浴びつつある。しかしながら例えばコンピュータディスプレイにおける長時間の光刺激などによって青少年に発生する光過敏性てんかん、いわゆるファミコンてんかん等の問題に代表されるように、人工現実感などの新しいヒューマンインターフェースが生体に与える影響を明らかにすることは、医学的にも社会的にも重要な問題となりつつある。そこで我々は前年度まで人工現実感が生体に与える影響を明らかにするために種々の実験を行い、主として循環動態のゆらぎ成分等の解析を通じて、多くの報告を行ってきた。その結果、恐怖感をあおるソフトウェアなどにおいて主として交感神経系に影響が観察されることなどについて明らかにしてきた。またカオス的なダイナミクスの特徴的であるストレンジアトラクターの再構築によるフラクタル次元解析などにより、生体の非線形動特性に人工現実感が与える影響について研究を行ってきた。しかしながらこれらの観察は、間接的な観察にとどまっているという批判は否定しきれない。本年度はかかる点を鑑み、交感神経活動を直接計測することにより、人工現実感が自律神経に与える影響を直接的に解明することを目標とした。健常成人男子7例を対象に実験を行った。安静臥位でHMDを装着し、約10分間ずつ、ビデオによる視聴覚刺激を与えた。ソフトウェアの内容は、ジェットコースターなどの恐怖感をあおる場面を編集したコンテンツと、風景が流れれいくだけの刺激の少ないコンテンツの二種類である。これらを安静臥位におけるコントロールデータと比較検討を行った。実験対象の7例のうち、4例において安定した計測が可能であった。一例は筋交感神経ニューログラムの計測が不可能であった。また一例は,HMDの装着後吐き気を訴え、実験を中止した。また最後の一例はどうしてもタングステン微小電極を脛骨神経に刺入できず、皮膚交感神経の記録になった。安定した計測が可能であった4例では有意の不整脈などは観察されず、血行動態のうえからも安定しているのが観察された。ニューログラムの変化を観察したところ、交感神経トーヌスにはVRのコンテンツ間の有意な差は認められなかった。しかしながら皮膚交感神経が記録された一例では、コンテンツ間の極端な差が観察されており、血管抵抗など内蔵機能を支配する筋交感神経には差がなくても、皮膚の発汗などを支配する皮膚交感神経に差が認められたという事は、交感神経の地域性反応などの問題とも合わせ、非常に興味深い結果と思われた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)